| DREAM MAGAZINE #10 page4/8 | ||
| 『ラブシティ』のすべて |
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| インタビュー/構成:大久保和則 | ||
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「WINDY」ができてなかったら、まだ終わってない。 「つまりは、なんで『ラブシティ』を作る必要があったのか? ってことなんだけどね。結局は、認められたいとか、気に入ってもらいたいとか、愛されたいってことだと思うんだよね。なんか、『ロックンロールの曽我部恵一バンドがすごくいいですよね』って、サニーデイを知らない若い子が言ってくれるのは、すごいうれしいけど、『サニーデイのときに聴いてたあの感じがないのは、寂しい』とか言われるのは、すごいシャクなわけ、俺的には(笑)」 ──最近、よく言ってるよねー。 「でも、『じゃあ、聴くなよ!』とは言えないのよ(笑)。『そんなこと言っても、俺が作ってんだからいいじゃん!』って、ホントは目の前に行って言いたいわけ。でも、目の前に行けない以上は、サウンドで説得するしかないわけで。だから・・・・・・性格がわがままなのかなぁ」 ──確かに、「じゃあ、聴くなよ!」って言えちゃう潔さとかかっこよさってあると思うんだけどね。 「俺とか、『えぇ〜!?』とか思っちゃうわけ(笑)」 ──でも、「じゃあ、聴くなよ!」って言えない曽我部恵一という人の面白さってあると思うよ。 「上の世代の人たちってさ、ぱきっと言えるんだよ。ピチカートの小西(康陽)さん(※13)も、俺にはっきり言ってたもん。『人が100人いたら、50人は自分の音楽を気に入るかもしれないけど、50人は気に入らなくて当たり前だよ。それがポップスの大前提だから』って。すごいわかるんだけどね。実際に小西さんはそうやって音楽を作ってるんだと思うし、それが小西さんの闘いなのかなって思うんだけど」 ──でも、割り切れないわけでしょ?50人が気に入ってないことに関して。 「そうそうそうそう。100人いたら、100人に気に入って欲しいなっていう」 ──ソロになってからは、そういう本来ある欲を、自分であんまり見ないようにしてたところってあるんじゃない? 「『俺は俺の道を行くぜ!』って?」 ──そうそう。もう好きなことしますから!って。いろんなことの反動もあったんだろうけど。 「そうかもね。うん、きっとそうなんだと思う」 ──さっき、「やっと来たな」っていう感覚があって、『ラブシティ』を完成させることができたっていう話があったけど、どの時点でそういう感触を得ることができたの? 「最後の『WINDY』ができた瞬間だね。アルバムを完成させるため、締めくくりをさせるために強引に作った曲でもあったからね、ある意味。それまでは、『クリスマスにほしいもの』(※14)のハウス・バージョンをラストの曲に考えてて」 ──でも、それじゃ納得がいかなかったんだよね? 「やっぱり違うなぁって。ほぼ終わりかけてたんだけどね。でも、ここで『クリスマスにほしいもの』にしたら、またダメだみたいに自分で思って。『WINDY』ができてなかったら、まだ終わってないからね、今回のアルバムは」 ──その終わらせようっていうのは、もうそろそろ形にしたいっていう気持ち? 「寸前まで来てるっていうのはわかってるわけ。何がまだ完成じゃないんだろう? っていうところで、ああでもないこうでもないってやるんだけどさ。たとえば一曲目のアレンジを変えたりとか、ミックスを変えたりとか、真ん中の曲の順番を変えたり、別の曲を入れたりしてみるんだけど、全部違うわけよ。そしたら、終わり方が違ってたっていう」 ──そうやって探していくわけだ。 「うん。ちゃんと探さないと、終われないんだよね。『東京』だと、ラストの曲は『コーヒーと恋愛』しかありえないわけよ。『東京』が『コーヒーと恋愛』で終わってなかったら、『東京』じゃないからさ。でも、『WINDY』みたいな曲を書くのをめんどくさがって、『クリスマスにほしいもの』で大団円にしようとしてた自分が、また甘いよなって。『WINDY』みたいな曲、ちゃんと書けよって」 ──プロデューサーとしての自分が言うんだ? 「そうそう。で、『これだよ! 君、書けるじゃない!』って(笑)。でも、『WINDY』みたいな曲を書くのって、すごく大変なんだよね」 ──『WINDY』みたいな曲っていうのは、具体的にはどういう曲になるわけ? 「自分の中の感覚をものすごい集中させて、一瞬でばーって書く曲。『STARS』とかもそうなんだけど、ものすごい疲れるんだよね。全神経を内面から触手のように身体から伸ばして、外界に集中させるわけよ。それではじめてこういう風景描写だけの曲なんだけど、同時に心象風景でもあるような曲として、強い意志を持って生まれてくる。ただの風景描写だけど、でも、意思の歌でもあるじゃん、『WINDY』って。それって、そういうふうにしないとできないんだよね。だからめんどくさくって、それをやるのが。たまにやるんだけどね」 ──なるほどなー。 「『幻の季節』みたいな曲はさ、テクニカルに完成させてるわけよ。だから、極端な話、ノートとペンとハートがあれば完成させられる。『WINDY』は、プラス体力がいる」 ──その“テクニカル”ってどういうことなの? 「効果をすごい意識して、リリックをメロディに乗せていくってこと。聴いた人のイメージが、こういうふうに広がっていくだろうなっていうことを、すごい細かく想定しながら。サニーデイ時代の曲は、ほとんどがこの作り方だね。体力を使って作った曲は、実はそんなにない」 <BACK NEXT> page | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ※13. 作曲家、ミュージシャン、プロデューサー。 ピチカート・ファイヴ解散後は、自身のレーベル・レディメイドインターナショナルをスタート。 現在は、レディメイドエンターテイメントとして活動する。 公式HPは、http://www.readymade.co.jp/ ※14. 2005年12月24、25日限定で、公式サイト内の配信のみで発表された楽曲。 |
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