| DREAM MAGAZINE #11 page5/6 | ||
| 緊急討論会 |
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| 直接話すことで、すべてが解き放たれた気がする(青木) 宮本 俺、この間のライヴは観ててドキドキしました。最初から、「声出てないなぁ。朝まで長いしどうなるんだろう?」って。ライヴの醍醐味って、聴きたい曲をやってくれたっていうのもあるけど、それよりもフランクな空間の中で、生々しくて「これからどうなるのかなぁ?」っていうドキドキ感がいいんだとも思う。 曽我部 あのライヴがそういう方向に転がる可能性はあったかもしれないけど、実際はそこには至ってないと思う。そういう可能性を自分の表現の中に秘めていたいという気持ちはあるよ。100点を取るよりも120点、200点。でも200点を1点でも超えると0点になるのかもしれない。それでも、そうありたいなっていう気持ちはいつもある。なんでこんなことを話すかって言うと、この間の『キラキラ!』のツアーでは、どの会場でもほとんど同じことをやってたからなのね。同じ盛り上げ方で同じ盛り上がり方をしてくれるのは、ありがたい面もあるよ。それによって、めっちゃ一体感のある超100点満点のライヴをしてきた自負もあるし。ライヴが終わった後に物販をやったらみんな買ってくれて、俺らも「ありがとう」って言って。そういう俺たちもハッピーだしお客さんもハッピーという関係性の中で、心のどこかに「ひとりのミュージシャンとして、これだけでいいのか?」っていう疑問も抱えていたのね。でもツアーはツアーでやりきらなきゃって、最終日までやったんだよね。 宮本 そういう曽我部さんの気持ちを考えれば、リキッドロフトでのライヴもよく言えば楽しいと思う。 曽我部 本当に「よく言えば」ね。でも、そこに至れてはなかった。不快感を抱いた人のほうが多かったかもしれないとも思うけど、自分ではどうしようもないのよ。ただ、ミュージシャンっていうのは人をハッピーにしてその人を一晩幸せにしないとけないし、その人の何かを背負ってそれを別のものに変える仕事だと思っているから、その点に関しては「ごめんなさい」って思う。宮本さんは、いろんな可能性を秘めた表現を受け入れる土壌がある人だから、そう思ってくれるんだと思う。逆に薮島さんは、プロとしてステージに立つ以上、お金を払ってその日を空けて待ってくれてた人がいる以上待ち望んだ人たちが喜ぶライブをやる必要があるっていう意見だと思う。薮島さんみたいに思う人たちのほうがたくさんいるんだと思うし。 薮島 人それぞれライヴの捉え方は違うかもしれないけれど、多くの人はある程度のものを期待していて、出来ればその期待値を越えたものが欲しいと思ってると思う。演奏している本人たちが納得した内容だとしても、期待していたものとは違ったら、せっかくお金払ったのに残念だなって思う人っていると思う。レストランに入ってお金払って食べたものが美味しくなかったら、「残念だったな」って思うのと同じように。 曽我部 それはそうだよね。ロッカーだってサービス業だと思うし。 薮島 ファンの中には、曽我部さんがやることをすべて受け入れるって言う人もいるだろうけど、そんな人たちばかりだったら、それはそれでどうかなって思う。 曽我部 俺は、自分のファンはそんな人たちばかりじゃないって思っているよ。俺の音楽を好きだって言ってくれる人たちは、自分の尺度を持っている人たちだって思いたい。なんでもかんでもそのアーティストがいいって思う人たちじゃないって思うけどな。 青木 BBS見てても、いろんな人たちが多いって思います。「全部好きだ」っていう人たちもいて、「それどうなの?」って人もいる。 宮本 確かに、「I LOVE SOKABE」っていう人たちはいる。 青木 でも、その「I LOVE SOKABE」っていう人たちが、今回のリキッドロフトでのライヴの件に関して、手のひらを返したように変わった印象もある。 曽我部 今まで期待に沿ってたぶん、裏切られたショックが大きいのかもしれないですよね。 薮島 でも、今までのミュージシャンとファンの関係でも、そういうことってたくさんあったと思う。ライヴも行ってCDもDVDも買ってたのに、ある日突然嫌いになる、聴かなくなるってあると思う。インターネットがない時代は、その行動が自分の周辺だけに影響を与えるだけで済んでたのに、今はそれをBBSやブログに書くようになったっていう変化もある。 曽我部 確かに今は、ネット上でいろんなことを共有出来るようになってる。でも、本当の意味での共有は出来てないと俺は思うんだよね。個人の中にある微妙な感情っていうのは、共有出来てないと思う。 宮本 こうやって面と向かって話している時って、隣の人が喋りだす前に息をスゥ〜って吸うじゃないですか。それで隣の人の顔を見て、自分は喋るのをちょっと待ったりする。でも、そういう“息づき”がないのがインターネットのコミュニケーションだなって思う。“会話”をしてるんだけど、現実ではあり得ない異様な空間にもなったりする。BBSには違和感があったりもするけど、求めてる部分もあるから、なくなるのも困るっていう気持ちもあります。 曽我部 俺の人生は実験みたいなものだから、実験の材料のひとつとしてあってもいいと思うんだけど、それによって傷つくファンの人たち、見ていて変な気分になってしまう人たちもいるしね。 宮本 今回の件は、曽我部さんを怒らせたいっていう意図もあったかもしれない。 曽我部 ここ4年ぐらいの俺は、優しいおじさんだったよ。でも、自分は本当は優しいおじさんじゃなくって、無軌道な若者だっていう想いがあって、その想いが突然全部に出てしまったのかもね。あの日のライヴにその部分が出て、BBSもブログも書かないっていう。自分が蒔いた種だし、みんなが蒔いた種でもあると思うんで、みんなで芽を育てて、花を咲かせて刈り取ろうぜとも思うから、今日に至るんだけどね。 青木 もっとこの場に色んな人が来てくれればよかったんですけどね。 曽我部 いや、これだけ来てくれただけでもひしひしと感動してるよ。 青木 曽我部さんと直接話すことで、すべてがファ〜っと解き放たれた気がします。 曽我部 顔を合わせて話すって、そういうことだと思う。お互い好きになれるし、ネットで一個の書き込みをするよりも、誰かと会って「天気いいね」って話でもしたら、もっとたくさんのことが得られる。でも、みんなそんなことはちゃんと知ってるのかもしれないよね。 <BACK NEXT> page | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
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