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曽我部恵一『Loveless Love』完全限定のアナログ盤2枚組・CD2枚組、4/14フィジカルリリース決定!!

現在ROSE RECORDS オンラインショップでも予約受付中の、昨年クリスマスに配信リリースされた曽我部恵一の最新アルバム『Loveless Love』。
限定プレスのアナログ盤とCDが、どちらも2枚組みで4月14日に発売決定!
アナログレコードはマーブルカラー盤仕様、そしてCDには本人による解説が封入されます。
いずれもマスタリングはstillichimiyaのYOUNG-Gが担当。
全14曲・トータルタイム84分のこの渾身の大作アルバムを、スペシャルなLP&CDできっちりとお届けします!

曽我部恵一『Loveless Love』
2021年4月14日発売

●2枚組LP(限定プレス)
 ダブルジャケット / マーブルカラー盤 / 歌詞カード
 ¥6,270(本体¥5,700+税) ROSE 260X

◎2枚組CD(限定プレス)
 紙ダブルジャケット / 歌詞・セルフライナー
 ¥3,300(本体¥3,000+税) ROSE 260

http://www.roserecordsshop.com

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曽我部恵一
『Loveless Love』

収録曲
1 Cello Song
2 Yeah Yeah
3 ただ一度
4 冬のドライブ
5 どっか
6 永久ミント機関
7 ブルーハワイ
ダンス
9 戦争反対音頭
10 Voyage
11 満月ライン
12 天国の南
13 Sometime In Tokyo City
14 ハートブレイク

Written & Produced by 曽我部恵一
(except 「Yeah Yeah」Lyrics Written by 桜井鈴茂)

Guest Musicians
田中貴 Bass on 「Yeah Yeah」、Fuzz Bass on「ただ一度」、Bass & Piano on「ブルーハワイ」
高野勲 Keyboards on 「ただ一度」「永久ミント機関」
オータコージ Drums on 「ただ一度」
加藤雄一郎 Sax on「Yeah Yeah」
横山裕章 Keyboards on 「ただ一度」
平賀さち枝 Chorus on「Yeah Yeah」
直枝政広 Distorted Guitar & Chorus on「Yeah Yeah」

Recorded & Mixed by 曽我部恵一
Mastering Young-G (stillichimiya) at JUUKI Studio
Analog Cutting Engineer 藤得成

Cover Art by 榎本耕一「ギザギザハート」2020
©Koichi Enomoto Courtesy of TARO NASU

「曽我部恵一のニューアルバム」という文言に我々は慣れ親しんだルーティンに対しての安堵と、微かなときめきとを同時に抱く。ここに彼が完成させたのは、我々が曽我部恵一に抱くパブリックイメージを丁寧に育みつつも、内側からその殻をも破り羽ばたかせるようにオーセンティックでありながらも革新的な、彼の芸術活動の集大成のような作品である。

 1972年のジョン・レノンに倣い、2020年のコロナ禍における自分とその周辺の暮らし、そこにある不安と希望を15分の幻想的フォーク・オデュッセイアに落とし込んだ「Sometime In Tokyo City」。この曲が発表されたのが<緊急事態宣言>が東京に出された1ヶ月後の5月。絶賛を持って受け入れられたサニーデイ・サービスの最新作『いいね!』のリリースから約2ヶ月。しかしこの間に全世界はコロナの波に飲み込まれ、我々の暮らしは一変してしまった。曽我部自身の生活や想い、そして彼が暮らす街の情景がどのように変わり、また変わらなかったのか。そんなことたちを綴ったこの曲はコロナ禍の停滞した気分に鮮烈な風を送った。
 そしてその夏にリリースされたふたつの配信シングル。夏の心象風景をシティ感溢れるダンスミュージックに昇華した「永久ミント機関」。2020年8月15日の終戦の日に制作されたトラップ以降のビート表現にメロウな歌が乗る「戦争反対音頭」。一見バラバラに思えるこれらの曲はしかし、「あらゆる音楽性や批評対象をポップスとして鳴らすべき」という彼特有の指向の際立った例でもあった。果たしてこれらの曲がアルバムとしてどのような帰結を見せるのか、否が応にも期待は高まった。

 そして完成した『Loveless Love』という14の楽曲からなるかたまり。前述の先行シングル曲も収められたが、それらの延長線上にあるとは言い難い。まるで時代を映したかのような渾沌がざわめき、その奥にはシリアスな音楽のみが持つクラシカルな輝きがのぞく。もはやジャンル的な括りは不可能な異形のポップ「Cello Song」から、哀しみの先の虚無的場所で鳴っているような「ハートブレイク」まで。曽我部がこだわり続けるあくまでも「良い曲を書く」という絶対命題を外すことなく緻密に編まれた曲たち。大作ではあるが実験性には傾かない。
 のべ3年以上にわたる制作期間の中で、いくつもの曲が作られあらゆる方向性が試され、そして壊されていった。その中で自然と音楽性やコンセプチュアルな縛りから自由になり、「個」がゆっくりとあらわになっていった終着点にこの『Loveless Love』は存在する。
 女優でありシンガーである三浦透子に提供された「ブルーハワイ」や、Eテレ<シャキーン!>のために作られ、番組内では曽我部が様々な屋外へ出向きライブで歌うという演出で話題を呼んだ「どっか」などのアコースティックな側面。対して最後の宇宙(?)旅行というSF的舞台で愛を希求する「Voyage」は4つ打ちのキックが支配する曽我部の愛するハウスミュージックのフォーマットで歌われる。「冬のドライブ」における無国籍なビートやメロディは新鮮な風景を描き出し、作家・桜井鈴茂が作詞し、カーネーションの直枝政広と平賀さち枝が参加した「Yeah Yeah」はフューチュアリスティックな都市型ニューソウルだ。
 あらゆる音楽性を往来しながらも、どの曲もこれまでの曽我部の手癖やアベレージを大きく超えたレベルにある。そしてそれらすべての楽曲を繋ぐ曽我部恵一のボーカル。エモーショナルでシルキーな唯一無二の歌声が、散らばった点を線で結び、無限の夜空に解き放つ。 それはあたかも旅立つ一羽の鳥のように孤独で美しい。

 『Loveless Love』は演奏・録音からミックスまで、大半の部分が曽我部一人の手で行われた。アルバムを象徴する官能的なジャケットは新進気鋭の画家・榎本耕一によるもの。アルバムの隅々まで独自の美学がみなぎる傑作が誕生した。